2007/09/04

一番やってみたいのは碇ゲンドウ密着取材!w

 みなさん、お久しぶりです。twitterばかり更新してると評判のKairiさんです、こんにちは。小ネタは死ぬほどあったんですが、そーゆーのはマジtwitterとかで事足りるので書きません。だからみんな、twitterやろうぜ?w

 さて、昨日は前々から注目していた映画を2本見て来ました。『新世紀ヱヴァンゲリヲン:序』とマイケル・ムーア最新作『SiCKO』。両方ともぜひ見て欲しい映画なので、レビューを書こうと思います。
 前回のエントリーの続きは、もうちょっと待ってくださいね。最近ようやく執筆を始めましたので。

『新世紀ヱヴァンゲリヲン:序』レビュー


 ネタバレを多いに含みますので、読みたくなかったら飛ばしてください。
 皆さんはエヴァンゲリオン『旧世紀版』を全話見たことがあるだろうか? もしないのだったらぜひ一度見て欲しい。ここでいう『旧世紀版』とは、TV放映された全26話と、かつて劇場公開された最終2話だ。TV最終2話と劇場版は互いにリンクするので、頭を働かせればあの難解と言われるストーリーも理解できるハズだ。テレビ版見るのメンドくさかったら、総集編であるもう一つの劇場版を見よう。
 で、それらを先に見ておくと、今回の『新世紀版』の内容が朧気ながら理解できる。まず、『序』はTV版1話〜6話までの話、「笑えばいいと思うよ」で有名な「ヤシマ作戦」までだ。しかしかつてのエヴァ序盤とはあからさまに変わっている点がある。気になった点をいくつか挙げると・・・ぁ、俺は絵描きさんでもミリヲタ/メカヲタでもないので、そっち方面のことはよくわからないし、書きませんよ?w

  1. TV版と比べて、意図的にカットされたシーンが結構ある。

  2.  伊達に外付けにHDDに全話入ってませんよ、その辺は丸わかりです。
     特に序盤はそれが目立ちますね。例えば、ミサトさんがN2地雷のせいで「服と車ぼろぼろ」とか嘆くシーンとか、ミサトさんがネルフ本部を迷うシーンとか、リツコさんの水着シーンwwとか、シンジ君が初号機の前に立たされるまでのミサトさんとリツコさんの会話シーンなどなど。庵野監督が「わかりやすくする」と言ってましたが、まぁ要は「シンジ君を中心とした群像劇」を描く上で、イマイチ関連性のないシーンはカットする、という方針なんでしょうね。かつ、その「群像劇」として注目するキャラクターもだいぶ絞ってきたようです。なんてったってシンジ君、最初の学校でのシーンがトウジに殴られるとこですからw この時点でトウジとケンスケ、さらに言うとヒカリは完全な脇役扱いになりましたよね。セリフによる状況説明オンリーで、登場人物として心情を描くシーンは『序』の時点では皆無。『旧世紀版』では、特にトウジに関しては序盤〜中盤まで結構細かい心理描写があったのに。

  3. 全体的に速いテンポで、そしてベタともいえる映画的演出になった。

  4.  シーンがカットされたこともあり、とにかく話のペースが速い。まぁ放送としての枠を考えなくて済む、と言うんだから、これが本来エヴァが持っていたテンポなんだろう。でも俺としてはあの、なんもセリフがなくて、雨が降る音だけが聞こえるって言う演出を連発するの好きだったんだけどなぁ・・・といっても『新世紀版』でも随所でそれが見れますが。
     そして演出が非常に映画的というか、めっちゃわかりやすく作ってます。特に『序』中盤以降のシンジ君の心理描写はこれでもかってほど丁寧で、『旧世紀版』の「想像にお任せするぜ。でもこういうことあって、こんな表情してんだからわかるだろ?」的なのは微塵も感じさせません。その、なんつーかアメリカ映画並にご丁寧な心情説明を見てて、「ヤシマ作戦」とかもう笑いを堪えるのに必死でwww でも、おかげで『旧世紀版』なんか目じゃない程、手に汗握る展開になってます。

  5. てかラミエル強すぎです。

  6.  ラミエルって言うのは「ヤシマ作戦」で倒す、あの青くて四角いヤツです。『旧世紀版』でも「攻守完璧」とミサトさんにお褒めの言葉を頂いていたヤツですが、今回さらにパワフルになって帰ってきました。えぇ、むしろ「最強じゃね?」とも思えるほどです。
     なんてったって変形しちゃいます。もうなんか生物とさえいえないジャマイカってほど。そして前のラミエルが加粒子砲の出力ほぼ一定だったのに対し、今回のは強弱があります。そしてその強い方は、なんと山を一個溶かしちゃうほどなんです!
     さらにそれだけじゃありません。今回のヤツの生命力はゴキブリ並みです。一度初号機の放った陽電子砲にコア(使徒の弱点)を貫かれ、血を噴き出して死んだかと思いきや、数秒で復活して反撃しやがります。「ちょwおまwwどんだけ強いんだよ」とKairiさんはまたしても笑いを堪えるのに必死でしたよw

  7. 追加シーン/設定変更がかなり意味深。

  8.  え〜、色々と設定変更はあったんですが、記憶にばっちり残る程、意味があって鮮烈だったものをピックアップ。
     まず冒頭の初めに登場する海の色。エヴァを見たことある方にとってはおなじみの、サキエル上陸シーンですが、その情景を見るとビビります。『序』初めのカットが赤い波が浜辺に打ち寄せるトコですから。そう、あの『旧世紀版』ラストシーンのアレです。さらに、山の上に、現場検証でもされたのかって感じの超大きな人型の輪郭が残されてます。形から推察して、やっぱり『旧世紀版』のアレです。もうこの時点でKairiさんニヤニヤしっ放しwww
     次に使徒の数が違います。最初に襲来するヤツで、俺的に超ラブリーな姿をしているサキエルくんですが、『旧世紀版』では「第3使徒」と呼ばれてるのに対し、『新世紀版』では「第4の使徒だ」と呼ばれています。さらにいうと、使徒を2体倒した(第5使徒まで確認された)状態で、ゲンドウのおっさんが「あと8体の使徒を倒さねばならない」と語っています。これによって導きだされること、それは『新世紀版』の設定では、使徒は全部で13いるということです。『旧世紀版』では(おそらく放送回数の関係で)合計18体の使徒が存在していました。いやぁ、絶対あの蜘蛛の形したヤツとか、火山の中で寝てるヤツとか、MAGIに侵入してくるヤツとか、カットされちゃうんだろうなぁ・・・蜘蛛とかもう無様すぎて大好きなんだがw あと使徒といえば、死に方が変わりましたね。これは「放送じゃないから」っていう理由でしょうが、もうこれでもかって程血を撒き散らします。ブワァー!です、ブワァー!! 開場前、列に並んでいると後ろの方から父子の会話らしきものが聞こえたんですが・・・きっと気のせいだよね;;
     そしてシンジくんがサキエル戦のあとに目覚めるシーン。例のごとくシンジ君の心象風景として夕暮れ時の電車内が映し出され、例の「男だったらシンジ、女だったらレイと名付ける」の会話のあと、まだこの時点では会話がないハズの綾波の声で「シンジ、レイ、シンジ、レイ、綾波、シンジ、碇、綾波、碇、レイ・・・違う、綾波、レイ」と言う感じのセリフが入ります。うは、もうめっちゃ煽ってますけどw ここでKairiさんは何となく『旧世紀版』と『新世紀版』の関係が読めてきました。
     次。ここは本質的には演出方針による変更と追加なのですが、ヤシマ作戦を前にエヴァに乗ろうとしないシンジ君に、ミサトさん(そういえば階級が二佐になってますね)が早速地下の巨人<リリス>を見せて、「みんな死ぬ覚悟でやってるんだ。命を懸けて怖いのは君だけじゃない」的な話をします。『旧世紀版』と違ってイマイチ「家族」として描かれない2人ですが、どうやら「姉と弟」として描かれるようです。で、この時のリリスの仮面、サキエルの顔の形をしています。これだけなら「ぁ、変えたんだー」程度だったんですが・・・
     最後に既にネットで話題になってますが、一番最後にカヲル君、ガチホモ意味深なセリフとともに登場です。彼が目覚めて体を起こすと、それは棺桶の中。ゼーレの渋い声のおっちゃん(確かキールさん)と会話が始まります。「また3番目か」とか「会えるのを楽しみにしてるよ、碇シンジ君」とか、もう煽るだけ煽ってくれます。キールさんも「死海文書外典が掟の書となった(『旧世紀版』では「裏死海文書がこの位置づけ)」とか言って「『破』も見ろよ」と暗示をかけてきます。そしてここで注目すべきカットは2つ。ここにも磔にされたリリスらしきモノがいます。それも『旧世紀版』の方のリリスです。そしてもう一つはカヲル君が見上げた先に浮かぶ地球。つまり彼らは月にいる、と。そして地球は青い、と。
     さぁ、まとめてみようか。

 まぁ、以上の点によってKairiさんはこう推察しました。もしかして、「完全新作」とか言っといてこれは・・・続編? 海は第3東京市近くだけ赤いし、量産型っぽい人型はあるし、ミサトさんの階級は違うし、使徒の編成変わってるし、リリスの仮面違うし、もう一つ出てくるし、本格的に「仕組まれた子供たち」のようだし、カヲル君は何もかも知ってるみたいだし・・・細かい設定まではちょっと材料不足ですが、『旧世紀版』を踏まえた上での物語だ、と言うことは確実だと思います。
 そして『破』では、月から6号機が飛来したり、弐号機が登場したり、4号機が消えたり、3号機の起動実験が強行されたりするそうです。・・・ぇ、展開速すぎない??;; 次回も、サービスサービスぅ♪

『SiCKO』レビュー


 まずこのレビューを呼んで頂く前に・・・皆さん、マイケル・ムーアって知ってますよね? ドキュメンタリー映画監督なんですけど。『Bowling for Columbine』とか『華氏911』とかで有名なんですけど。てか彼がどーゆー作品を撮る監督かっていうのがわかっているのを前提に話を進めますが・・・いいですか? わかんない人は『Bowling for Columbine』でも見てください。

 この作品のテーマなんですが、医療保険問題です。日本でも近年問題となっていますし、今の政府の政策はもっと憂慮されるべき事柄なのですが・・・まぁそれは置いといて。日本、というか世界的に数多くの国では一応「国民皆保険(政府が税金みたいな形で国民から徴収した金を、国民が医療サービスを受ける際、費用をある程度肩代わりできるようにする制度、みたいな感じ)」の政策が採られているらしいんですが、アメリカではその制度がないらしく、国民は自己責任で民間の保険会社に入らなきゃいけないらしいんです。まぁそれのおかげで、保険に加入していない人が高額請求にあって大変なことになるんですが・・・これは彼らに関するドキュメンタリーではありません。むしろ保険に加入している人たちの話です。どういうことかというと、保険に加入していたとしても、色々と難癖を付けられて保険会社から医療費の負担を拒否されるというのです。おかげで、受けられたはずの治療が受けられず、病気やケガが悪化し、あまつさえ死亡してしまうという悲劇としか言いようがない事態が起こっている。・・・ぇ、なんで? と言う話です。簡単に言うと。

 そしてこの作品のスゴい所は、とにかく取材がめちゃめちゃ多いこと。アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・キューバとなんと5カ国も渡り歩き、その各国できちんとムーアらしいクレイジーさを見せつけてくれますw もちろん以前からの手法である、大量の資料映像投入や突撃/密着取材は健在。きっちりガッツリ、情報採集/情報選択/理論証明をやってくれちゃいます。といっても、さすがにKairiさんだってドキュメンタリストの端くれですから、彼の主張に残された反論の余地を各所で見つけ、独りでニヤニヤしてたんですがw まぁ彼の場合、確実にわざと残してるんですけどね。
 あと今回注目すべき点は、今までの作品と比べて「構成」が極めていい、と言うことでしょうか。俺が大好きな『Bowling for Columbine』でさえ、構成的には「う〜ん...」と言う感じがあったのに、今回のはほとんど完璧。いらない情報はスパッと捨てて、感情の方向性をベースに論理で納得させる、という密着系ドキュメンタリーの王道をやってみせてくれました。すなわちこの作品で彼は「第三者」ではなく、徹底して「アメリカバカ白人(本人命名)」の一人(=当事者。ピエロ)として話を前に進めるので、何の予備知識もなく、存分に楽しむことができる、ということです。・・・もちろん、彼自身がその「アメリカバカ白人」をバカにしているので、ブラックジョーク満載のエンターテインメントとしても楽しめますがww (余談ですが、『華氏911』では彼が自らを「正義」として掲げてしまったので、イマイチ面白みに欠けたのでしょう。彼は「正義」を心がけていても、決して「正義」になれないのは自明ですから)

 ただ「失敗したなぁ」と思ったのは、あらかじめ日本の保険制度を細かく調べておけば良かったなぁ、と。すると日本と比べられたので、もっと面白く見れたかな、と思ったり。

 まぁとにかく。『SiCKO』に関しては間違いなくドキュメンタリスト:マイケル・ムーアの最高傑作だと思います。森達也は彼の作品を「プロパガンダ的」と言ってましたが、自分の主張(ないし感情)を情報の塊によって他人に見せていくのだから、表現によってはプロパガンダになることは間違いないでしょう。ドキュメンタリーはニュースじゃない。そもそも人間に「事実」のあらゆる側面を見せるのは不可能なのだと森達也本人が言っているんだから、ムーアみたいに明確などっかの目線に立って、一側面を強烈に見せるのも、ドキュメンタリーの一手法であろう。そして今回の作品はドキュメンタリーの総合的技術として、間違いなく超ハイレベルだ。
 だから、ドキュメンタリストのあなた! 一度この映画を見てみては?

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